週刊 『クリスチャン新聞』 2010年9月5日号 =5面=掲載

『ロイドジョーンズ ローマ書講解6章』

D・M・ロイドジョーンズ著(いのちのことば社、3,990円税込)

 ロンドンの中心部バッキンガムゲイトにあるウェストミンスター・チャペルにおいて、1955年から引退する1968年にかけて、ロイドジョンズは、ローマ書を講解していた。その邦訳がすでに1巻、2巻と出されたが、いよいよ待望の第6章の講解の邦訳が、今回出版された。
なぜ6章の講解が待望されるのか? その理由を想像するに、恐らく、ローマ書の中で6章が最も難解であるからではないだろか。さらに、この章が理解できれば、ローマ書全体が見えてくる、と言えるほどの章であるからではないだろうか。
 著者は、序文の中で次のようなエピソードを語っている。
 「とある日曜日の晩、ウェストミンスター・チャペルで行なわれた夕拝後に、ひとりの高名な説教者が牧師室にやって来てこう言った。『君は、いつになったらローマ書の連続講解を始めるのかね?』私は言下に答えた。『6章が本当に理解できた時です。』他の多くの人々と同じく、それまでの私は何年もの間この章のことで頭を悩ましていた。…」
 このように苦悩した末、ついに満足のいく6章の理解に達し、彼はローマ書全体の講解説教を開始したのである。実にこのような章が、このローマ書6章であり、その講解が本書なのである。
 私は、今から30年ほど前、牧師になりたての頃に、ロイドジョンズの講解説教『山上の説教』を読んだ時のあの感動を今でも忘れることができない。今回の『ローマ書講解6章』も同じである。彼の説教は、実に懇切丁寧で、理解できるまで繰り返し教える、という説教である。
 恐らくこれを読む者はみな、きっとこの説教に引きつけられ、6章だけでなくローマ書全体から、神の声を聴きたいという強い思いに駆られることだろう。いつか、ローマ書全部の講解の邦訳をと期待する者のひとりとして。

(評・小寺肇=日本同盟基督教団野沢福音教会牧師)

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